デザイナーは衣服や建物、CGなど様々な分野で物をデザインして活躍する職業です。
デザイナーと一言で表しても、その種類は多様で数えればキリがないほど様々な職種があります。
ではデザイナーになるにはどのような方法があり、どうすれば仕事として活躍できるのでしょうか。
最近のデザイナーは衣服や建物だけでなく、インターネット上で活躍するデザイナーも増えてきており、社会におけるデザイナーの活躍の幅が広がっています。
この記事ではデザイナーとして活躍するには、どのようなデザイナーを選べばよいのか、デザイナーになるには何を学べばよいのかをわかりやすく解説します。
デザイナーとして社会に貢献したい、活躍したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
デザイナーとは
デザイナーは物をデザインする職業であり、単純に見た目を整えるだけでなく、使う人に最適なデザインをすることが仕事です。
デザインの仕事を選ぶには、まず自分がどのようなデザイナーになりたいのか、どんな分野で何をデザインしたいのか考えることが必要です。
本項では社会で活躍するデザイナーの中から、需要の高いデザイナー職を5選紹介します。
紹介するデザイナーの種類は以下の通りです。
- ファッションデザイナー
- グラフィックデザイナー
- Webデザイナー
- UI・UXデザイナー
- CGデザイナー
ファッションデザイナーとは
ファッションデザイナーはデザイナーの中でも、私達の普段の生活に身近な「衣服のデザイン」をするデザイナーです。
ファッションデザイナーはファッションの分野で自ら流行を作ることもできるだけでなく、世界的に有名なファッションショーで作品を発表できる可能性もあります。
自分の創作したデザインが人々の注目を浴びることもある夢のある職業です。
ファッションデザイナーの働き方
ファッションデザイナーの働き方には色々な選択肢があり、安定を求めるなら大手ブランドに勤めること、自分だけのブランドを立ち上げること、フリーランスとしてクライアントに合ったデザインを提供することなど様々です。
最も一般的なのは会社に勤めてデザインを手掛けるという選択でしょう。
ファッションデザイナーは実力重視の世界であり、初めのうちは会社に勤めて経験を積み、将来的に独立して独自ブランドを持つこともあります。
ファッションデザイナーに求められるスキル
ファッションデザイナーの仕事は衣服をデザインするだけではありません。
ファッションデザイナーとして活躍するために重要なのは、「企画力」「トレンドを察知する能力」です。
ファッションデザイナーはデザインをして終わりではなく、デザインを生み出し、商品を売り出すまでの企画力が求められます。
また現在のトレンドはなにかを察知しなければ、流行に合わないデザインになってしまいます。
ファッションデザイナーとして活躍するには、企画力を磨き、常に新しいトレンドを察知するアンテナを張っておくことが大切です。
グラフィックデザイナーとは
グラフィックデザイナーは本の表紙、映画、ゲーム、商品パッケージ、広告、ポスターなどをデザインする職業です。
デザインするには「絵の上手さ」だけではなく、デザインにまつわる広い知識と技術が必要になります。
またグラフィックデザイナーは活躍の幅が広く、自分がどの分野のデザイナーになりたいのかしっかりと検討することも必要です。
グラフィックデザイナーの働き方
グラフィックデザイナーの働き方は自由に自分の作りたいものを作るのではなく、デザインを依頼したクライアントの要望をくみ取り、商品がユーザーから求められる魅力的なグラフィックにしなければなりません。
グラフィックデザイナーは1人で仕事をするものではなく、1つの商品を完成させるために複数のプロフェッショナルとチームを組んで作り上げていく仕事です。
デザイナーと聴くと感覚的に商品を作り上げているようにも思えますが、グラフィックデザイナーに必要なのは「論理的思考力」です。
商品を作成するにあたってどのような人をターゲットにするのか、効果的に商品の意図を伝えるのに必要なことはなにかを突き詰めていく作業が必要になります。
直感的なデザイン力だけでなく、考えながら論理的にデザインするのがグラフィックデザイナーの働き方です。
グラフィックデザイナーに求められるスキル
グラフィックデザイナーには論理的な思考力が求められることは解説しましたが、他にはどのようなスキルが必要でしょうか。
グラフィックデザイナーが活躍するためには、「ソフトウェアスキル」「コミュニケーションスキル」「Webマーケティング知識」が必要とされます。
ソフトウェアスキルとはPhotoshopやIllustratorなどの、デザインに使用する画像編集ソフトを扱う能力です。
効果的なグラフィックデザインには画像加工の専門知識が必須だからです。
コミュニケーションスキルはチームで多職種と働くうえで、同じ目標に向かって進むために欠かせない能力です。
コミュニケーション能力は自分の中にあるデザインのイメージを伝える「発信力」とも言い換えられます。
グラフィックデザイナーは、クライアントへのプレゼンテーションを行う機会も多いからです。
最後にWebマーケティングに関する知識です。
商品を求めるターゲットを定めずに制作に入ることはないので、どのようなターゲットに訴求する商品なのか、Webマーケティングの知識と分析力が生かされます。
グラフィックデザイナーは総合的な能力を求められる職業といえます。
Webデザイナーとは
企業の公式ホームページや個人のブログなどのWebサイト制作とデザインをするのがWebデザイナーです。
Webデザイナーは企業内ではチームで働くことが多く、WebディレクターやプログラマーといったWebサイトのプロフェッショナルと協力してWebサイトを制作します。
Webサイトの制作はUI・UXデザイナーとも近い部分はありますが、大きな違いはユーザーが迷わず、かつ使いやすいサイトデザインを考えることです。
UI・UXデザイナーは売上を向上させるサイト設計、ユーザーによりよい体験を与えるサイト設計を重視する点で異なります。
Webデザイナーの働き方
Webデザイナーの働き方は大きく2つあり、企業に所属し自社サイトの制作を行うか、フリーのデザイナーとしてクライアントからのサイト制作の受注を受けるかです。
Webデザイナーの仕事はサイトを訪問した人が見やすく使いやすいサイトを制作することです。
クライアントから受注を受けた場合は、クライアントの要望を取りまとめて、サイトデザインの提案を行うこともあります。
パソコン1つで働くことができる職業であるため、どこでも仕事をできる点も特徴です。
Webデザイナーに求められるスキル
Webデザイナーはパソコン1つで働くことができますが、必要とされるスキルはプログラムに関する幅広い知識と技術です。
まずデザインに使うPhotoshopやIllustratorの知識・技術をはじめ、HTML、CSS、JavaScriptなどのコーディングも知識として必要です。
特にHTML、CSSなどコーディングの知識が深いWebデザイナーは、サイト作りの根幹を支える存在なので重宝されるでしょう。
また最近はスマートフォンやタブレットの普及により、リードタイムの短いモバイル端末で検索するユーザーも増えています。
そのため従来のパソコン向けだけでなく、モバイル向けのサイト制作も重要視されており、スキルを持っているとクライアントからの信頼を得やすくなります。
UI・UXデザイナーとは
UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略称で、パソコンやスマートフォンでアプリなどを操作するとき、アプリのデザイン・画像・ボタンの配置・テキストの表示などの外観に関わるもの全般をUIと呼びます。
そしてUXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略称で、モノやサービスからユーザーが得られる体験のことを指します。
UI・UXはユーザーが迷わないようなサイト設計や、ユーザーの行動パターンから最適なサイトの組み立てを行うデザイナーです。
UI・UXデザイナーの働き方
UI・UXデザイナーはデザイナーの中でも新しい職業なので、どのような仕事なのかわからない方も多いと思います。
UI・UXデザイナーは「サイトでのユーザーの利便性を向上させること、サービスの売上を意識したサイト設計をする」ことを目指す職業です。
つまりパソコン、スマートフォンでのユーザーが、サイトで得られる体験に興味を持てるようにデザインすることがUI・UXデザイナーの仕事になります。
UI・UXデザイナーはベンチャー企業の体験型サービスや革新的な商品を売り出すときに活躍するため、今後の成長を目指す新進気鋭の企業で求められる人材です。
仕事の内容としては、ユーザーインタビュー、サイトのSEO対策、マーケティング戦略の立案、サイト分析など、Webサイトを多くのユーザーに利用してもらえるような施策を行うことが主な内容です。
UI・UXデザイナーに求められるスキル
UI・UXデザイナーに求められるのは、Webマーケティングに対する深い知識です。
UI・UXデザイナーはHTML、CSSなどのコーディング知識のほか、マーケティングの知識、ユーザーインタビューの経験も必要です。
さらにWebサイトに対する施策を立案するために、Google AnalyticsやGoogle Consoleを利用したサイト分析能力、SEOの知識と上位表示の経験も求められます。
またパソコンだけでなく、スマートフォンなどのモバイル端末向けのサイト設計のスキルもあると良いでしょう。
UI・UXデザイナーはWebサイトのプロフェッショナルとしての専門的な知識と、人の行動心理に基づいたマーケティング能力も求められる存在です。
CGデザイナーとは
CGデザイナーはコンピュータのソフトを用いて、2Dまたは3Dのグラフィック映像を作成する職業です。
以前は建築や部品設計の分野で活躍することも多い職業でしたが、最近では映画、アニメ、ゲームでもCGは馴染みのある存在となり、活躍の幅は広くなっています。
CGデザイナーは単純にリアルな2D・3Dグラフィックを作成するだけでなく、まるで実在する存在のように作り出すことが真骨頂です。
映像系の分野でデザイナーとして働きたいとお考えなら、CGデザイナーがおすすめです。
CGデザイナーの働き方
最近は映画、アニメ、ゲームの分野だけでなく、広告の分野でもCGデザイナーは求められるようになりました。
また仮想現実と呼ばれる「VR」、拡張現実と呼ばれる「AR」でもCGデザイナーは求められています。
CGデザイナーの作るCGは作業量が膨大で、CGを作るためのモデルの動きを読み取り、CGに反映させる作業もあります。
フリーランスとして個人でCGデザイナーをする方もいますが、そのためにはかなりの実戦経験と深い知識が必要です。
一般的には、企業に所属して企業の映像作品を作るCGデザイナーが多いです。
CGデザイナーに求められるスキル
CGデザイナーはモデルの動きをCGに反映させる作業もあるため、「観察力」「デッサン力」が求められます。
他にもCGを映像作品に落とし込むための映像スキル、画像の編集・加工を行うソフトウェアに関する知識と能力も必要です。
必要とされるスキルは多岐にわたりますが、その分だけ活躍できる分野も多くなるのがCGデザイナーです。
ゲーム開発の分野で活躍したい場合は、「Unity」という無料のゲーム開発ソフトもあります。
自分なりのゲーム開発は実績にもなるので、関心のある方は触れてみてもよいでしょう。
デザイナーになるための方法
デザイナーになりたいとお考えの方の中には、「どうやってデザイナーになればいいの?」「デザイナーは学校に通うしかないんでしょ」と思う方もいると思います。
そこでデザイナーになるための方法を4つ紹介します。
どのデザイナーを選ぶとしても、ここで紹介する4つの方法が基本となるので、自分に最適だと思う道を選択してください。
デザイナーになるための方法は次の通りです。
- 学校に通って学ぶ
- オンラインスクールを利用する
- 書籍やインターネットを利用して学ぶ
- 仕事をしながら学ぶ
学校に通って学ぶ
まず選択肢として挙がるのはデザイナーの学校に通うことです。
学校に通う方法は、時間とお金に余裕のある方に向いています。
学校では自分以外にも同じデザイナーを目指す学生が集まるため、共に学ぶだけでなく、お互いに刺激になるのでモチベーションも上がります。
また最も大きなメリットは専門の講師にその場でアドバイスを貰えることです。
わからない点があればその場でプロから指導を受けられるので、デザイナーとしての成長速度が他の方法よりも高いです。
卒業が近づけば就職サポートも行ってくれるので、卒業後すぐに仕事を見つけることもできるでしょう。
確実に実力をつけ、将来的に企業への就職を目指すなら学校がおすすめです。
オンラインスクールを利用する
オンラインスクールは仕事で忙しい方や、社会人として働きながら学びたい方におすすめの方法です。
仕事との両立は精神的・肉体的にも大変ですが、時間と場所に縛られることなくマイペースに学ぶことができます。
さらに学校よりも入学金や交通費などの諸経費が少なく、コストを抑えられる点はメリットです。
最近のオンラインスクールではパソコンだけでなく、スマートフォンでも学ぶことができるため、通勤中や昼休みなど隙間時間も有効活用できます。
また最近のオンラインスクールは就職サポートを行っていることもあり、利用が終了してもサポート体制が整っています。
仕事もしつつ、専門の講師からしっかりした知識を学びたい方にはオンラインスクールがおすすめです。
書籍やインターネットを利用して学ぶ
できるだけ費用を抑えて学びたいとお考えの方には、書籍やインターネットで学ぶ方法もあります。
書籍やインターネットの最大のメリットは、コストが4つの方法の中で最も安いということです。
書籍は初心者向けのものから、上級者向けの高度な専門的なものまで探せば簡単に見つかるので、独学するには困りません。
また無料のオンラインセミナーや、動画サイトで個人的に講座を配信している方もいるため、利用してみましょう。
ただし、独学で学ぶときに注意すべき点は2つあります。
- 時間管理が重要で、スケジュールを管理できること
- 孤独な戦いになるためモチベーションの維持が難しい
独学で続けるうえで勉強にどれだけ自分の時間を注ぎ込めるかは重要です。
一日にどれくらい勉強するのか、どこまで勉強するのかなど自分にノルマを課して勉強できなければ、時間だけが過ぎてしまいます。
独学の場合、共に学ぶ仲間も教えてくれる講師もいないため、長期間になるほどモチベーションは低下しやすくなります。
モチベーションをどうやって維持するのか、という点も独学では重要です。
上記2つの注意点を意識できれば、独学でもデザイナーへの道は開けるでしょう。
仕事をしながら学ぶ
希望するデザイナーの業界に入り、仕事で経験を積みながら学ぶという方法もあります。
はじめから自分の希望する業界に入れるうえ、デザイナーとして実力をつければ活躍の幅も広がりますから一石二鳥の方法です。
デザイナーの業界は未経験でも採用してくれる企業が多いため、挑戦してみる価値は十分にあります。
何よりもデザイナーとして働くには、実績が必要になります。
派遣社員、正社員、フリーランスのどの方法でも構いませんが、実績を積むことがデザイナーとして活躍するための鍵になるでしょう。
ポートフォリオ作りが大切になる
ポートフォリオとは、自分の実績や過去の作品などをまとめたもので、自分がデザイナーとしてどのような仕事ができるのか紹介する武器にもなります。
作品作りはポートフォリオとしての意味合い以外にも、実力を高めるためにも重要です。
自分が学んだことを作品に生かす機会でもあるので、ポートフォリオ作りに挑戦してみましょう。
下記にポートフォリオ作りにおすすめの方法を紹介します。
- クラウドソーシングを利用する
- デザイナーの求人に応募する
- SNSでの人材募集に応募する
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングのサイトに登録するとデザイナーの募集はいくつも出てきます。
中には初心者OKの募集もあるので、経験と実績作りのためにも応募してみましょう。
ただし、クラウドソーシングでは他にも募集する方が多いため、必ずしも採用されるとは限らないことは理解が必要です。
またクラウドソーシングでは初心者向けの案件は単価が安いうえ、マニュアルがきちんと整備されていないこともあります。
そのため、あくまで実績作りと経験を得るための場として、割り切って利用してください。
デザイナーの求人に応募する
求人サイトでデザイナーの求人を検索すると、業務委託という形で各種デザイナーの募集が出てきます。
求人を出しているのは企業としての案件なので、メリットとしてマニュアルを整備してあり、制作物に対して意見をフィードバックしてくれることが多いです。
また正式な契約としてではなく、業務委託という形であれば制作物をクライアントに提供するという形になるため、案件を掛け持ちすることも可能です。
一方で、求人への応募には小さいものですがデメリットもあります。
それは求人に応募してから、採用されるまでに時間がかかるということです。
応募から採用、制作に入るまでには2週間程度の時間がかかるので、日程も計算しながら求人は利用してください。
SNSでの人材募集に応募する
SNS上でデザイナーの求人を募集していることもあります。
SNSは20代~30代の方が利用するケースが多いため、若手のデザイナー向けに求人を募集することも多いからです。
SNSならではのメリットとして気軽にしやすいことと、気楽に連絡を取りやすいという点があります。
ただし、SNSではお互いの顔が見えないからこそのデメリットもあります。
まず信頼関係を築くのが難しいことです。
顔が見えないだけでなく、SNSでは本名も明かされないため信頼関係を築くには相当の努力が必要でしょう。
それだけでなくトラブルになりやすい懸念もあります。
SNSでの募集は直接契約という形になり、求人サイトも介さない個人の契約です。
そのためどちらか一方が突然音信不通になるケースや、報酬が適切に支払われないケースがあります。
SNSは気軽に応募できる分、注意が必要なことも多いので理解したうえで利用してください。
まとめ
デザイナーになる方法について紹介しました。
デザイナーは多種多様で働き方も幅広くなっており、活躍できる分野はどんどん広がっています。
どのデザイナーでも共通しているのは、「自分の手掛けた作品で流行を作れる」ということです。
作品が評価されるのは誰でも嬉しいことですし、モチベーションにも繋がります。
そしてデザイナーを目指そうと考えている方は、まず自分が何をデザインしたいか決めましょう。
デザイナーは専門とする分野によって勉強する内容も、デザイナーになるまでの過程も変わります。
自分がどの分野に向いているのかしっかりと検討し、目指すべきデザイナーの道を選択してください。