インフルエンサーへの費用はどれくらい?効果は期待できる?

ビジマサマガジン

インフルエンサーの存在はマーケティングの観点からも看過できないほど大きなものになっています。

かつて広告といえばテレビや雑誌といった一部メディアで展開するものでしたが、近年はweb上も広告市場の一つです。むしろweb広告市場は既存メディアの広告市場に迫る勢いで、もはやweb広告を無視することができない状況となりつつあります。

そんなweb広告の選択肢の一つがインフルエンサーですが、費用については、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

興味はあるものの、費用感が掴めないのでオファーを悩んでいるという方に向けて、インフルエンサーと費用にスポットを当てて掘り下げていくとしましょう。

インフルエンサーの費用の相場

インフルエンサーの費用は、基本的にはインフルエンサー次第です。

決して明確なルールがある訳ではありませんが、おおよその相場としてフォロワー数×2~4倍とされています。

つまり、10万人のフォロワーをかかえているインフルエンサーであれば、1回の投稿依頼で20万円から40万円程度とされています。

ただし、この数字はあくまでも相場です。

フォロワー数が多いインフルエンサーの場合、影響力等も強まりますし、他社との引き合いもありますので、単価はより高くなります。

また、事務所に所属しているインフルエンサーや過去に何度も宣伝を行っているインフルエンサーであれば費用も明確ですし、契約窓口もあれば、契約そのものもスムーズに行われますが、フリーのインフルエンサーの場合、DMから直接交渉することになりますので、時間がかかるケースもあれば、企業案件に不慣れなインフルエンサーの場合、交渉に時間がかかります。

インフルエンサーに依頼する際の費用

インフルエンサーに宣伝を依頼する場合にかかる費用は基本的にはフォロワー数を一つの目安に、インフルエンサーの知名度等によって決まるものですが、他にも費用が発生する部分があります。

インフルエンサーへの報酬以外の費用

インフルエンサーに宣伝を依頼する場合、どこかに移動してもらうケースが多いです。

いくらweb上でどこからでも情報配信が可能ではあっても、インフルエンサーに宣伝を依頼する際にはスタジオや会社等に出向いてもらい、動画撮影・配信を行います。

そのため、インフルエンサーの移動費も計上しなければなりません。宿泊を伴うものであれば宿泊費用も発生します。

また、スタジオであればスタジオ費用もかかります。別途撮影スタッフを用意しなければならない場合、撮影スタッフ手配のための人件費も発生します。

インフルエンサーに依頼する費用対効果

極論ですが、費用がどれだけかかるとしても、大きな広告効果を得られるのであればインフルエンサーに依頼したいと考える企業・業者も多いことでしょう。

この点は未知数な部分があるのも事実です。

例えば10万人のフォロワーを抱えているインフルエンサーだとしても、深く興味を持っているフォロワーが10万人なのか、あるいは何となくフォローしている10万人なのかで費用対効果は異なります。

10万人のフォロワーがいるからと言っても、ライブ配信を行った際、必ず10万人が閲覧するとは限りません。インフルエンサーのフォロワーであれば、配信を行った際には通知が届いたり、あるいはSNSの画面上に配信中と表示されることから、広告・宣伝効果は見込めます。

しかし、最終的に閲覧するかしないかの選択はフォロワーによるものです。

そのため、費用対効果はフォロワー数よりも、フォロワーの質に左右されます。

費用対効果の高いインフルエンサーの特徴

インフルエンサーの費用対効果はフォロワー数が一つの目安になりますが、他にも費用対効果を左右する要素がいくつかあります。

インフルエンサーに依頼する場合、フォロワー数や費用だけではなく、これから紹介する点もチェックしておきましょう。

投稿のコメント数

インフルエンサーが投稿した際、どれだけコメントが寄せられるかは、費用対効果に大きく関わる部分です。

なぜなら、コメントを残すフォロワーは、インフルエンサーへの興味が大きいです。

「いいね」の場合、何となく押しているだけのユーザーも少なくありません。

特に大人数フォローしているユーザーの場合、投稿一つ一つを吟味していません。

適当に流し見しながらいいねを付けているだけのケースも多いので、そのようなユーザーは、インフルエンサーに対してさほど興味を持っていないものの、「人気者だから」「とりあえず」といった理由でフォローしているだけのケースが多いです。

一方、コメントを残すようなユーザーは、インフルエンサーに対しての興味が強いです。

そのため、インフルエンサーの投稿にはすぐに反応したり、配信は欠かさずチェックしますので、インフルエンサーがPRする商品にも反応してくれやすいです。

フォロワー数も重要ではありますが、フォロワー数のうち、どれだけコアなフォロワーを抱えているかはコメント数である程度分かります。
フォロワー数が多いものの、コメント数が少ない場合はコアなフォロワーが少ないことを意味していますし、フォロワー数はさほど多くはないものの、割合にすると多くのフォロワーがコメントを残しているインフルエンサーは、コアなフォロワーを多く抱えていることになります。

投稿の頻度

投稿の頻度もチェックしておきましょう。

なぜなら、頻繁に投稿しているインフルエンサーと、めったに投稿しないインフルエンサーとでは、やはりフォロワーの質に大きな違いが生じます。

めったに投稿しないインフルエンサーの場合、急に投稿したとしてもフォロワーのタイムラインに表示されない可能性があります。

特にフォロー数の多いユーザーには、頻繁に投稿しているユーザーの投稿が表示されやすいので、たまに投稿してもタイムラインに表示されなかったり、あるいは下の方に表示されるので見られないケースもあります。

一方、定期的に投稿しているインフルエンサーであれば、多くのフォロワーのタイムラインに表示されます。

SNSでは、よほどのことがない限りフォローを外すことはありません。つまり、投稿頻度が少ないインフルエンサーの場合、フォロワー数は多いものの「フォローを外していないだけ」のユーザーが多いなど、影響力が期待できないので、費用対効果も低くなりやすいです。

SNS以外の露出度

インフルエンサーも様々です。

SNSのみで活動しているインフルエンサーもいれば、SNS以外の場でも活動しているインフルエンサーもいます。

広告効果として考えると、当然後者の方が期待できます。例えば様々なメディアにも登場しているインフルエンサーであれば、依頼した商品の撮影現場に他のメディアが入ることで広告の相乗効果も期待できます。

ネットニュース等に取り上げられることで、フォロワー以外への宣伝効果も期待できます。

一方、あくまでもSNSのみで活動しているインフルエンサーには、このような効果は期待できません。

しかし、費用対効果として考えると、冷静に判断する必要があります。なぜなら、SNS以外でも活動しているインフルエンサーの場合、依頼費用が高くなる傾向にあります。

先にフォロワー数×2~4がインフルエンサーへの費用の相場だとお伝えしましたが、SNS以外でも活躍しているインフルエンサーの場合、係数が高まります。5、あるいは10に設定しているインフルエンサーもいますので、冷静に費用対効果を見極める必要があります。

インフルエンサーへの費用対効果を高めるためのポイント

費用対効果は、かけた費用でどれだけ効果を得られるかです。

費用に関してはある程度の相場が決まっていますが、インフルエンサーに宣伝を依頼した商品・サービスの売上に関しては、インフルエンサーだけではなく、様々な要因で決まるものです。

この点を理解しておくことで、より費用対効果の高い宣伝が可能になります。

インフルエンサーのフォロワーと宣伝商品・サービスの親和性

多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーに費用を支払い、宣伝してもらうことで多くの人に自社の商品・サービスを知ってもらえます。

しかし、売上・サービスの申し込み等、成果(CV)を獲得するためには、インフルエンサーが抱えているフォロワー層と自社の商品・サービスの親和性が挙げられます。

例えば男性向け商品の宣伝を、女性のフォロワーが多いインフルエンサーに依頼しても、購買には繋がらないでしょう。

インフルエンサーへの興味から、配信そのものは見えてもらえるとしても、購入したところで役立たない物を購入する程、現代の消費者は甘くはありません。

抱えているコアなフォロワー層と自社の商品・サービスのターゲットが一致したインフルエンサーへの依頼で、大きな成果を生むことになり、費用対効果も高まります。

インフルエンサーとのコミュニケーションも重要

インフルエンサーに費用を出して宣伝してもらうだけではなく、インフルエンサーと自社の商品・サービスに関して理解してもらうことも重要です。

理解度が深ければ深いほど、よりリアリティのある宣伝配信が可能になります。しかし商品・サービスへの理解が浅いと、インフルエンサーとしてもどうしても表面的な情報のアピールになってしまいます。

どれだけのCVを獲得できるかは、インフルエンサーの配信次第ですが、商品・サービスを深く理解し、アピールポイントを抑えた配信と、少しネットで調べれば分かるような表面的な情報のアピールしかできない配信とでは、閲覧者の購買意欲も異なることでしょう。

そのため、自社の商品・サービスの強みはどこなのか、何を訴求したいのか等、アピールポイントをしっかりとインフルエンサーに伝えておくことが大切です。

インフルエンサーに依頼する際の費用以外の注意点

費用さえ支払えばインフルエンサーがあとは何とかしてくれると思ったら大間違いです。

むしろインフルエンサーに依頼するのであれば、費用以外にも、気を付けなければならない点がいくつかあります。

契約書・委託書を発行しましょう

インフルエンサーには、DMで気軽に仕事の依頼が可能です。

フリーのインフルエンサーも多くは仕事の依頼窓口がDMなので、それまで接点がないとしても、DMにて仕事の依頼が可能ではあります。

しかし、DMだけで契約をまとめるのではなく、契約書・業務委託書など、書類をしっかりと発行しましょう。

なぜなら、口約束では言った・言わないの話に発展する可能性があります。DMも一応の法的拘束力が認められていますが、契約書や業務委託書を発行した方が確実です。

紙ではなく、web上のものでもよいので契約書・業務委託書は必ず発行しておきましょう。

また、その際もしもインフルエンサーに何らかの落ち度が認められ、自社の商品・サービスの信頼性まで失墜させるようなことがあった際の対応等も記載しておきましょう。

この点を明記していない契約では、もしもインフルエンサーが炎上した際、自社の商品・サービスにまで飛び火しかねません。

インフルエンサーは芸能人ではない

インフルエンサーに依頼するメリットは、芸能人ではなく身近な存在がアピールする点です。

宣伝・広告感を薄めたPRが可能なので購買に結び付きやすいのですが、インフルエンサーに対してあれこれ要求してしまうと、インフルエンサーの持つ「身近な雰囲気」「自然体」が消え、結局は既存広告のような、商品・サービスを押し出した、面白みのない配信になりかねません。

自社の商品・サービスの売上がかかっていますので、いろいろと要求したくなる気持ちはよく分かります。

しかし、要求が増えれば増えるほど、インフルエンサーを縛ることになり、芸能人・著名人にはない、インフルエンサーだけが持つ親近感を損ねてしまいかねません。

まとめ

インフルエンサーの費用は分かりやすい部分がある一方で、費用対効果まで考慮するのであれば、フォロワー数だけで依頼すべきかを考えるのではなく、インフルエンサーのフォロワーの中身まで吟味する必要があります。

また、DMで気軽に依頼できるとはいえ、ビジネスである以上、契約書等を発行するのは当然です。
条件を整え、アピールして欲しい点をしっかりとインフルエンサーに伝えたら、後はインフルエンサーのセンスに任せましょう。

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