ホームページや名刺などを外注する際、制作会社ではなく個人のデザイナーに依頼するという選択肢があります。
ですが、デザイナーに依頼する際の費用相場は不明確になりがちなため、どれぐらいの費用をかけるべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、デザイナーに依頼する際の費用相場を、デザイン会社と比較しながら詳しく解説していきます。
デザイナーの相場だけでなく、デザイン制作会社の相場も知っておくことで、予算・用途に合わせた適切な判断をすることができます。
費用対効果の高いデザイナーの特徴や、外注する際の注意点なども詳しく解説しているので、ぜひ合わせて参考にしてください。
デザイナーに依頼する際の費用の相場
デザイナーに依頼する際の費用は、一般的には1~10万円前後であることが多いです。
なぜこれほど大きな差があるのかというと、デザインを掲載する媒体が異なるからです。
Webサイトのデザインを作成するのか、チラシや名刺などの紙のデザインを作成するのかによって、必要な時間・スキルは異なります。
アイコンやロゴなどの小さなデザインであれば比較的安価で依頼できますが、Webサイトのような専門知識や経験がより重視されるデザインの場合では、10万円を超えるケースも多々あります。
どの媒体に対してどんなデザイナーを求めているのかを明確し、適切な費用相場を調べましょう。
媒体別のデザイン費用相場
具体的なデザイン費用相場を、以下の4つのケースに分けて解説します。
- ホームページの作成
- ロゴの作成
- チラシの作成
- 名刺の作成
依頼者と受注者の両方が満足して取引できるよう、媒体ごとの適切な費用相場を押さえておきましょう。
デザイナーだけでなく、企業に依頼する際の費用相場も合わせて紹介するので、比較しながら検討してください。
ホームページの作成
ホームページ制作を依頼する場合、ホームページ制作会社、もしくはWebデザイナーに依頼するのが一般的です。
ホームページ制作会社の費用相場は、5~300万円前後となっています。
必要最低限のデザインと機能であれば10万円前後での作成が可能ですが、サイト設計やSEO、最新のデザインなどを加えると、100万円を超えることが多いです。
一方で、フリーランスのWebデザイナーに依頼する場合は、10~50万円が相場となっています。
より高いクオリティのホームページを制作するのであればホームページ制作会社、費用をなるべく抑えたいというのであればフリーランスのWebデザイナーに依頼するのがおすすめです。
ロゴの作成
ロゴ制作を依頼する場合、デザイン事務所、もしくは個人のデザイナーに依頼するのが一般的です。
ロゴ制作の費用相場としては、1~5万円前後となっており、比較的安価で作成できます。
1万円以下で作成することも可能ですが、連絡や修正ができなかったり、思っていたイメージと異なるデザインになってしまったりするケースもあるので、金額で依頼先を選ばないことが重要です。
また、企業のロゴデザインを制作する場合は、よりターゲットやコンセプトなどを綿密に照らし合わせていく必要があるので、10万円を超えてくることもあります。
ロゴを使用する用途や目的などに合わせて、適切な費用・依頼先を選びましょう。
チラシの作成
チラシ制作を依頼する場合、デザイン会社、もしくは個人のデザイナーに依頼するのが一般的です。
チラシ制作の費用相場は、1~10万円となっていますが、チラシの内容によって金額は大きく変動します。
チラシのデザインだけではなく、
- サイズ
- 部数
- 撮影(もしくは素材)
- 印刷する面
- カラー
などの要素によって費用が決まるため、場合によっては10万円を超えることもあります。
個人のデザイナーに依頼した場合でも、1万円を下回る金額の案件は数少ないので、費用よりも品質を重視して依頼先を決めていきましょう。
名刺の作成
名刺制作を依頼する場合、印刷会社、もしくは個人のデザイナーに依頼するのが一般的です。
名刺制作の費用相場は、5000円~10万円となっており、依頼先によって大きく異なります。
印刷会社の費用相場は3~10万円ですが、個人のデザイナーの場合は5000円から3万円程度が相場となっており、個人デザイナーのほうが安価で依頼できます。
ですが、印刷会社のほうが細かいヒアリングも多く、より自分のニーズに合わせた名刺を作れるので、品質を重視している方には最適です。
名刺のデザインや用途に合わせて依頼先を選択していくのがおすすめです。
フリーランスのデザイナーに依頼するメリット
デザイン事務所や印刷会社ではなく、フリーランスのデザイナーに依頼することで得られるメリットがいくつかあります。
依頼先で迷っている方は、これらのメリットを参考に検討してみてください。
費用を安く抑えることができる
費用相場で紹介した通り、企業に依頼するよりもフリーランスのデザイナーに依頼するほうが費用は安くなります。
企業と違って固定費や人件費がかからないため、デザインの制作費用のみで済みます。
企業の場合は、オフィスの設備固定費や様々な担当者の人件費がかかってしまうため、デザイン以外での費用がかかります。
一方でフリーランスの場合は、自宅やワーキングスペースなどで個人で作業をしているので、コストを安く抑えることができます。
デザインを制作する媒体によっては費用にかなりの差があるので、フリーランスのデザイナーに依頼するのもおすすめです。
納品までが早い
制作会社に依頼するよりも、フリーランスのデザイナーに依頼したほうが早く納品されることがあります。
というのも、フリーランスの場合は土日や祝日も作業していることが多く、一日あたりの労働時間も自由に決めることができます。
そのため、場合によっては制作会社に依頼するよりも数日・数週間早く納品されることもあり、時間的にはかなり大きなメリットです。
急な変更や修正にも曜日を問わず対応できるので、より自分のイメージに近いデザインにも仕上げることができます。
規模の小さいデザインも依頼できる
小さい規模のデザイン制作は利益が小さいため、制作会社によっては断られることもあります。
ですが、フリーランスの場合は規模が小さいデザイン制作でも依頼することができ、継続的に発注することも可能です。
費用も安く済むので、お試し感覚で1枚作ってもらうこともできるので、より選択肢の幅が広がります。
そのデザインの用途や費用によっては、制作会社よりもフリーランスに依頼したほうがより多くのメリットを得ることもできます。
費用対効果の高いデザイナーの特徴3選
デザイナーに依頼する際、最も意識すべきことは費用対効果の高さです。
ホームページやロゴなどは、宣伝だけでなく会社としての顔のような役割も担っているので、より優れたデザイナーに依頼することが重要です。
そこで、費用対効果の高いデザイナーの特徴を3つ紹介します。
- コミュニケーション能力が高い
- 専門的な知識やスキルがある
- ポートフォリオが充実している
この3つの特徴を意識してデザイナーを選ぶことで、ミスやトラブルが少なくなり、安定したクオリティのデザインを作成することができます。
コミュニケーション能力が高い
デザイナーに限らず、どの個人でも共通して重視されるのはコミュニケーション能力の高さです。
これは、親交を深めるためのコミュニケーションではなく、あくまでビジネスでの取引をしていくうえでのコミュニケーションのことを指します。
コミュニケーション能力が高いデザイナーは、分からない点をその都度質問してきたり、連絡や相談について素早く返信してきたりするので、より円滑に仕事を進めることができます。
デザイナーとやりとりする際は、返信の早さにも注目してみましょう。
専門的な知識やスキルがある
デザイナーには専門的な知識やスキルが求められるため、実績や職歴などにも着目する必要があります。
Webデザイナーを例に挙げると、サイト開発やプログラミングに関する資格を持っているかどうか、以前はどんな分野の職種についていたのかなどで知識やスキルを確認することができます。
もし仮にそのデザイナーが個人としての経験が少なかったとしても、デザイン関連の資格や職歴などがあれば、費用対効果の高いデザイナーと言えるでしょう。
どのツールをどれぐらい使いこなせるかなども、デザイナーを判断するには重要なポイントです。
ポートフォリオが充実している
そのデザイナーの知識やスキルを判断するには、ポートフォリオや過去の作品例などを見ることも重要です。
自分が望んでいるデザインと、そのデザイナーが得意としている分野が異なる可能性もあるので、事前にポートフォリオなどを見たうえで判断しましょう。
また、ポートフォリオ以外にも、過去にどんな分野のデザインを制作してきたのかなどをまとめているデザイナーも多くいるので、そのような詳細も判断材料になります。
そのデザイナーのスキルが高いかどうかだけではなく、自分が目指しているデザインとどれぐらい関連しているのかにも注目しましょう。
フリーランスのデザイナーに依頼する際の注意点
フリーランスのデザイナーに依頼する際、いくつかの注意点があります。
デザイン会社などに依頼する場合であれば、受注から納品までの流れが決まっていますが、フリーランスの場合は決めていないこともあります。
あらかじめいくつかの注意点を押さえておきましょう。
事前にルールを伝える
フリーランスの場合、デザイナーによってやり方や考え方などは異なります。
必ずしも自分が思っているやり方で進めてくれるとは限らないので、作業を始める前にあらかじめルールを伝えておきましょう。
「こういうやり方で進めて欲しい」「○○の使用は避けてほしい」のように、具体的に伝えておくことで、自分の価値観や考えがより反映されたデザインになります。
デザイナー側としても、やり方や禁止事項などを事前に伝えてもらったほうがスムーズに進められるので、必ずルールは伝えておきましょう。
希望のイメージを伝える
ルールを伝えたうえで、次はデザインについての具体的なイメージを伝えていきます。
Webサイト制作の場合であれば、参考となるサイトを複数送ったり、どの部分にどんな文字・画像を入れて欲しいなどを伝えておいたりするのがよいでしょう。
もし具体的なイメージが湧いていないのであれば、デザイナーに直接相談してみるのもおすすめです。
経験豊富なデザイナーであれば、そのニーズに合わせていくつかのプランを提示してくれるので、そのような意見を取り入れながら進めていくと、お互いが心地よくやりとりできます。
ターゲットやセールスポイントを伝える
希望のイメージ以外にも、ターゲットやセールスポイントなどを伝えておきましょう。
希望のイメージだけを伝えられても、誰に何を伝えるデザインなのかが分からないため、デザイナーからすると作業を進めるのに頭を抱えてしまいます。
そのため、「どんなターゲットにどんな強みを伝えるのか」というコンセプトも合わせて伝えておきましょう。
これが明確であればあるほど、より効果の高い優れたデザインを作成することができます。
納期にはゆとりを持たせる
多くのフリーランスは個人で活動しているため、必ずしも充分な時間が確保できるとは限りません。
突然体調を崩してしまったり、他の案件の修正に追われたりすることもあるため、納期にはゆとりを持たせておきましょう。
納期が短すぎると、デザインそのもののクオリティが下がってしまうので、結果として費用対効果も低くなってしまいます。
納期が近づいてから依頼するのではなく、制作が決まってからすぐに依頼することで、より余裕のあるスケジュールで納品してもらうことができます。
デザイナーの費用相場についてのまとめ
この記事では、デザイナーの費用相場について、様々な観点から解説しました。
一般的には1~10万円が相場であり、作成する媒体や依頼するデザイナーによって異なるということを覚えておきましょう。
また、フリーランスにデザイン制作を依頼する場合は、コミュニケーション能力や過去の実績に着目し、具体的なイメージやコンセプトを伝えることが重要です。
様々な選択肢を比較したうえで、最も費用対効果が高いと思われる選択を選ぶことで、より自分のイメージに適したデザインを作成することができます。