イラスト作成はPCでするものと考える人も多いことでしょう。
最近はスマートフォンやタブレットの機能や性能が充実し、アプリでもイラストを作成できるようになりました。
- イラストを描きたいけどPCを使ってまでやるのはちょっと…
- お出かけのちょっとした時間にもイラストを描きたい
このようなお悩みを抱える人には、手軽に始められるイラストアプリがおすすめです。
とはいえ、イラストアプリも数多くあるため、どれを選べばよいのか判断しにくいのも事実です。
イラストを描くなら自分に合った、使いやすいアプリを選びたいと思うことでしょう。
そこでこの記事ではイラストアプリを選ぶときのポイントと、おすすめのアプリを特徴とともに紹介します。
アプリを利用してイラストを描きたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
イラストアプリ選びのポイント
イラストアプリは様々なものがありますが、使いやすいものを選ぶことが大事です。
この項ではイラストアプリ選びでどこをポイントにするのか、チェックしていきます。
- 多様な機能が用意されているか
- 元に戻す(アンドゥ)機能がついているか
- マンガを描ける機能がついているか
- レイヤー機能が使えるか
- 無料制か課金制になっているか
- PCとクラウドで共有可能か
多様な機能が用意されているか
使用する自分に合っているかどうか判断するには、どのような機能が用意されているかを基準にするのがポイントです。
イラストには人によって個性があり、タッチや描き方、線の太さ、塗りなど色々な機能をチェックしましょう。
多彩なイラストを描きたいなら「ブラシの種類」を確認することが大事です。
イラストアプリのブラシにもエアブラシ・ペン・筆など様々な種類が搭載されており、イラストを描くなら妥協できないポイントです。
また、線の太さ、手ぶれ補正などの細かいながらも重要な機能も欠かせないため、アプリを選ぶときにしっかりとチェックしてみてください。
一番の方法は気になったアプリを試しに使用して、操作感を実際に体験してみることです。
元に戻す(アンドゥ)機能がついているか
元に戻す(アンドゥ)機能の有無も非常に重要なポイントです。
アプリによっては誤タップ、線のズレなどで消したいときにアンドゥ機能がなく、いちいち消しゴム機能で消す必要があるものもあります。
ですが、アンドゥ機能があればワンタップで1つ前の状態に戻せるため、作業効率が大幅に向上します。
どれほどイラストを描くのが上手い人でもミスはありますから、アンドゥ機能のついたアプリを選ぶことがより良いイラストを描くためには大事なポイントです。
マンガを描ける機能がついているか
イラストを描く人の中には、イラストだけでなくマンガを描きたい人もいることでしょう。
その場合には、マンガ制作の機能がついているアプリをチェックして選ぶことも大事です。
マンガを描くならコマ割り・スクリーントーン・集中線などの機能がついていれば、機能としては十分使用できます。
より本格的でマンガ制作に特化したアプリもあるため、イラストをメインにするか、マンガをメインにするかで判断は分かれます。
イラストアプリの付加機能としてマンガ制作機能がセットになっていることもあるため、イラストアプリを選ぶうえでチェックしてみてください。
レイヤー機能が使えるか
本格的で精密なイラストを描くうえで、欠かせないのがレイヤー機能です。
シンプルなイラストを描くだけなら不要ですが、発表用や販売用にイラストを描くならレイヤーは必須です。
レイヤー機能があれば、層ごとに線画・色付け・背景などの使い分けができ、修正が必要な場合にも楽になるメリットがあります。
イラストレーターとして活動を目指すなら、レイヤー機能のあるアプリを選択することがおすすめです。
無料制か課金制になっているか
アプリによっては無料で始められるものもありますが、課金制ということもあります。
またダウンロードは無料で、機能の拡張には課金が必要なアプリもあります。
課金額によって機能がステップアップするタイプ、有料版を利用することで全機能が開放されるものなど様々です。
もちろん無料のアプリであっても機能的に十分なものもあり、あくまで「自分がどのくらいの機能を求めているか」によります。
アプリでもPC同様に不自由のないレベルで利用したいなら、課金が必要なアプリから選ぶことも大事なポイントです。
PCとクラウドで共有可能か
アプリだけで完結するものもありますが、クラウドに保存してPCとも共有できるアプリを選ぶと便利です。
タブレットでは大まかな部分を制作し、細かい部分はPCで仕上げるといった使い分けができます。
外出先や隙間時間に少しずつでも作業を進めたい人にはおすすめです。
イラスト投稿サイトに登録してアカウントを共有するタイプ、アプリにアカウントを作成するタイプなどがあります。
普段からよく使うイラスト投稿サイトがあれば、クラウドで共有可能かチェックしてみてください。
イラスト作成におすすめのアプリ
続いて、イラスト作成する際におすすめのアプリを紹介します。
イラスト作成で人気のアプリ、PCでも利用できるアプリ、機能性の高いアプリなど色々なものがあるので、自分に合ったものを選択する参考にしてください。
- アイビスペイントX
- メディバンペイント
- pixiv Sketch
- CLIP STUDIO PAINT
- Autodesk SketchBook
- PicsArt Color ペイント
- Adobe Photoshop Sketch
- Infinite Painter
- FlipaClip
- kakooyo!
アイビスペイントX
世界で1億5,000万ダウンロードされている無料のイラスト、マンガアプリです(2021年1月15日時点)。
イラスト作成に必要な手ぶれ補正、ブラシ、レイヤー機能などは一通り揃っており、無料のイラストアプリでありながら非常に評価が高いです。
アプリ内では2,700点以上の素材、800種類以上のフォントも自由に利用できるため、本格的なイラストを描きたい人にも向いています。
また、マンガ作成機能としてコマ割り、スクリーントーン、集中線などの機能も備えています。
さらに綺麗な線を描けるように定規機能・Gペンなども搭載し、よりハイレベルなマンガを描くことが可能です。
基本無料で利用できますが、月額300円の有料版を利用すると広告を消すことができ、全ての種類のブラシが開放、会員専用のフィルタ機能も使用できます。
CLIP STUDIO PAINTとも連携しており、クラウドを共有することでPCのCLIP STUDIO PAINTでイラストの編集できます。
無料版でも非常に多機能であり、イラストを描きたい人のニーズにしっかり応えてくれるアプリです。
ただし、注意したいのはキャンパスの最大サイズ制限です。
モノクロマンガを印刷する際に最適とされる600dpiの解像度には設定できません。
- 対応OS:iPad/iPhone/Android
- 料金:無料/有料版980円/プレミアム会員 月額300円
メディバンペイント
世界で4,000万ダウンロードされた、マンガ制作に特化したイラストアプリです。
最大の特徴はクラウド機能を使えばPC・スマホ・タブレット、いずれの方法でもイラスト制作ができる点です。
クラウドで共有すれば、個人だけでなくチームでイラストを共有でき、リアルタイムでの共同イラスト制作もできます。
無料で利用可能ながら、1,000種類以上のトーン、100種類以上のブラシが自由に利用できます。
イラストよりもカラーマンガ、モノクロマンガの作成に向いているアプリですから、マンガに力を入れていきたい人はメディバンペイントがおすすめです。
注意点はクラウドで共有したデータを異なるOSで利用するとき、OS同士で設定を共有できない点です。
異なるOSでイラストの続きを作成する場合には、設定が変更になっていることに注意して作業してください。
- 対応OS:Windows/macOS/iPad/iPhone/Android
- 料金:無料
pixiv Sketch
イラスト掲載のSNS「pixiv」から配信されているアプリです。
本格的なイラスト制作よりも、初心者向けのシンプルな機能性が特徴です。
ブラシは8種類、消しゴム、塗りつぶし、ぼかし機能の最低限の機能だけで構成されています。
イラストを描いて楽しむだけでなく、ライムラインへの投稿、SNS上でのシェア、お絵かき配信などのユーザー同士での交流がpixiv Sketchの強みです。
自分のイラストを色々な人に見せたい方、イラストレーター同士の交流をしたい人におすすめのアプリです。
また、紙媒体を取り込んで色塗りすることもできるので、シンプルながら用途は広いといえます。
ただし、データの形式は「PNG」のみ対応しているため、汎用的なイラストを作成する場合には向いていません。
- 対応OS:Windows/macOS/iPad/iPhone/Android
- 料金:無料
CLIP STUDIO PAINT
CLIP STUDIO PAINTはイラスト・マンガだけでなく、アニメーションも作成できる万能なアプリです。
プロ・アマ問わずイラストに関わる多くの人が利用しており、筆圧感知システムで力加減に合わせて線の強弱が出せるのが特徴です。
マンガ作成なら吹き出し・コマ割り・集中線が簡単に設定できるほか、スクリーントーンなども充実しています。
さらに、3Dポージング人形を使ってポージングを参考にもでき、イラスト作成に役立つ機能も揃っています。
カスタマイズの自由度も高く、自分の扱いやすいペン・ブラシを設定できるため、長く使い続けるユーザーも多いです。
プロのアニメーターも利用する「EX」と、イラストやシンプルなマンガに向いた「PRO」の2種類があり、自分の目指すスタイルに合わせて選択もできます。
クラウドを共有してタブレットとPCのデータを引き継ぎでき、外出先でも勤務先でもいつでもイラスト作成が可能です。
- 対応OS:Windows/macOS/iPad/iPhone/Android
- 料金:基本無料/アプリ内課金は月額100円~
Autodesk SketchBook
建築家やデザイナーも利用するほど、洗練された機能性を持つのがAutodesk SketchBookです。
ペン1本で始められる手軽さ、ブラシやパース定規などイラストやデザインに必須な機能も揃えており、シンプルに使い勝手がよいアプリといえます。
他のイラストアプリに比べると画面を最大限利用できるのが特徴で、画面をスクロールする煩わしさが少ないです。
データ形式も幅広くJPG、PNG、PSDなどあらゆる納品形式に対応できます。
ほぼすべてのOSに対応しているアプリで、サブスクリプションでは1つのアカウントでプラットフォームすべてと共有できるメリットもあります。
- 対応OS:Windows/macOS/iPad/iPhone/Android
- 料金:無料
PicsArt Color ペイント
PicsArt Color ペイントは、落書き、水彩画、人物画など幅広いイラストを描けるアプリです。
ブラシをカスタマイズ可能なため、好みに合わせて色々なブラシを使い分けることもできます。
レイヤーや塗りつぶし機能も搭載なので、複雑なイラストの作成もこなせます。
デジタルイラストの中でもブラシにこだわりが出ているのが特徴で、絵に独特の質感を出したい人におすすめです。
対応OS:iPad/iPhone/Android
料金:無料
Adobe Photoshop Sketch
Adobe Photoshop Sketchは、世界的にユーザーが多いAdobe社のPhotoshopやIllustratorにデータを連携できるイラストアプリです。
特徴としてはAdobe Photoshop CCと素材を共有できることです。
アプリ内でイラストを完成させることよりも、ラフ絵を作成してPCに連携し、自宅でイラストを完成させることを役割としています。
イラスト作成の機能面においては、ブラシやレイヤーといった必要な機能は最低限装備しているため、簡単なイラストなら外出先でも作成できるでしょう。
アプリでもしっかりイラストを描きたい人には向きませんが、下書きをすき間時間に進めて仕上げはPCで行いたい人にはおすすめです。
- 対応OS:iPad/iPhone/Android
- 料金:無料
Infinite Painter
紙のイラストのような雰囲気を出したいならInfinite Painterがおすすめです。
レイヤーが他のアプリに比べても多く、複雑なイラスト描くにも適しているアプリです。
操作性は直感的に扱えるよう、機能は全て1つの画面内にアイコンで表示されています。
機能で必要なものは一通り揃っており、ストレスを少なくイラストを作成できるでしょう。
また、Photoshopとの互換性もあるため、データ移行でPCでも利用できるのはメリットです。
- 対応OS:iPad/iPhone/Android
- 料金:無料/アプリ内課金1,220円
FlipaClip
アニメーションの入門におすすめなアプリがFlipaClipです。
FlipaClipは複数のイラストを連続して切り替えることで、パラパラマンガのようなアニメーションを作成できます。
対応ツールはApple Pencilです。
無料版と有料版に分かれており、無料版はレイヤー3枚、有料版ならレイヤー10枚まで利用できます。
作成したアニメーションには効果音をこともでき、アニメーションの入門にはおすすめのアプリです。
ただし、使用できるブラシは4種類と少なく、本格的なイラストを描きたい人には物足りない可能性があります。
- 対応OS:iPad/iPhone/Android
- 料金:無料/アプリ内課金1,220円
kakooyo!
お絵かきしながら交流もしたい人に向いているのがkakooyo!です。
最大3人までとお題に沿ったイラストを描くというゲーム感覚があり、イラストの制作過程は動画サイトやSNS上で配信もできます。
1人でじっくり描くこともできるため、しっかりイラストを描きたい人のニーズにも対応しています。
また作成したイラストはパソコンのCLIP STUDIO PAINTと共有でき、仕上げを自宅のPCで行うことも可能です。
ただし、利用するにはTwitterアカウントが必要ですから、アプリを利用する前にアカウント作成はしておきましょう。
- 対応OS:iPad/iPhone/Android
- 料金:無料
まとめ
イラスト作成におすすめのアプリを紹介しました。
スマホやタブレットの利用者が増えたことで、今やイラストアプリも無料で機能が充実してきています。
クラウド上でデータ共有できるアプリ、他のアプリやソフトでもデータ編集可能なアプリも多く、用途に応じた選択が大事です。
ちょっとしたお絵かきに利用するのか、それとも仕事として本格的に利用するのか、それぞれの状況に合ったものを選びましょう。
イラストアプリを利用して、ぜひイラストレーターとしてもステップアップを目指してみてください。