企業のロゴや広告、サイトをデザインする際、デザイナーに依頼する企業も多いことでしょう。
デザイナーに依頼すれば企業や商品をアピールする効果的なデザインを作成可能で、企業にとってはデザイナーは重要な存在です。
しかしデザイナーはCG、グラフィック、UI/UXなど多様な専門性があり、企業が望むデザイナーを探すのは意外と大変です。
さらにようやくデザイナーを見つけても、企業のイメージに合わないデザインを作成されてしまうと、時間とコストも無駄になってしまいます。
そこで本記事では、デザイナーを探すおすすめの方法と最適なデザイナーを見つけるためのチェックポイントを解説します。
デザイナーを探している方、デザイナーを何を基準に選べばよいか悩んでいる方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
デザイナーを探す方法は色々
デザイナーには多種多様な専門性があり、企業の求めるデザイナーを探すのは大変な作業です。
そこでデザイナーを探すためにおすすめの方法を3つ紹介します。
それぞれの探し方にはメリット・デメリットがあるため、求める人材、人数、コストなど様々な要素で比較検討しながら参考にしてください。
デザイナーを探す方法は大きく次の3つです。
- クラウドソーシングで募集する
- 広告代理店から探す
- 求人サイトで募集する
クラウドソーシングで探す方法
クラウドソーシングは企業にとって最も効率よくデザイナーを探せる方法です。
有名なクラウドソーシングの「クラウドワークス」では登録者が200万人以上、「ランサーズ」も登録者が50万人以上と人材が豊富です。
クライアントとしてデザイナーの募集を出せば、案件によっては数十人数百人が応募することもあります。
応募された中から企業が求めるデザイナーを厳選すれば、効率よく求める人材を見つけることができるでしょう。
クラウドソーシングのメリット
クラウドソーシングは近年の副業ブームもあり、非常に多くの人材が眠っている市場です。
そのため依頼する企業にとっても多くのメリットがあります。
- 募集条件を指定すればデザイナーが自ら応募してくれる
- 比較的安い単価でデザイナーを採用できる
- 企業からデザイナーに直接声を掛けて契約することも可能
- デザイナーが求める人材と違っても契約終了がしやすい
- クラウドソーシングのサイト上でもメッセージのやり取りができる
企業にとって最も課題となるのは、デザイナーに依頼したくても人材が見つからないことです。
その点でクラウドソーシングは応募期間と条件を絞って募集を掛けることができ、応募してきた人材の過去の実績も確認できるため、企業にとっても依頼しやすいメリットがあります。
またクラウドソーシングではプロジェクトとして長期で契約することも、単発の案件として契約することも可能なので、依頼1件あたりの単価を抑えることもできます。
気になるデザイナーがいれば、直接仕事の依頼をすることも可能なので、少しでも早くデザイナーを見つけたい場合にもおすすめです。
そして実際に仕事をしているうちに「思っていたのとは違う」と感じれば、その案件限りで契約を終了できるので、トラブルに巻き込まれる可能性も少ないでしょう。
クラウドソーシングのデメリット
クラウドソーシングにはデメリットもいくつかあります。
デメリットも理解したうえで、利用されることをおすすめします。
- 募集しても求めるデザイナーが来るとは限らない
- 実績・経験の浅いデザイナーも多い
- 募集条件によっては仕事を後回しにするデザイナーも存在する
- 突然連絡が取れなくなるケースがある
クラウドソーシングは直接契約する場合と異なり、単価が安い案件が多い傾向にあります。
そのため一定の単価以上でなければ依頼を受けないデザイナーもおり、その場合採用してみたが断られる可能性もあるでしょう。
結果として求める人材からの応募がなく、実績・経験の少ないデザイナーばかりが集まることもありえます。
さらに注意したいのは、低単価でデザイナーを買い叩こうとすると、デザイナー側も仕事を後回しにするケースがあります。
もっとひどいと連絡すら取れなくなるケースもあるのです。
クラウドソーシングは匿名性もあるため、「仕事を途中で投げ出してもリスクが低い」と考えるデザイナーもいることは理解してください。
クラウドソーシングならではのデメリットも理解して依頼を行いましょう。
広告代理店から探す
デザインを依頼する際にイメージされる方も多いのが、広告代理店かと思います。
広告代理店はデザインをほぼ全面的に任せる形なります。
広告代理店ごとに得意とするデザインの分野は異なるため、いくつかの代理店を候補に入れておくと求めるデザインを作成できるところが見つかりやすいでしょう。
また広告代理店はプロのデザイナーとして活躍する人材も多いため、安定した仕事を依頼できるはずです。
広告代理店のメリット
広告代理店はプロのデザイナーを抱えていることも多く、企業にとってのメリットが多い方法です。
広告代理店に依頼するメリットは次の通りです。
- 依頼をほとんど任せられるので、プロジェクト管理に集中できる
- ポートフォリオを確認しやすく、目的に合わせて代理店を選べる
- 最新の情報が集まりやすい
広告代理店では依頼を遂行するプロジェクトディレクターが在籍しており、計画からデザイン作成、運用まで全てを代理店側で行ってもらえます。
企業側はプロジェクトの管理やデザインを見せてもらった時のフィードバックをするくらいで、ほとんどを任せることができます。
また広告代理店を選ぶ前に、代理店はそれぞれの実績や制作物を提示できるように準備していることがほとんどです。
ポートフォリオを確認しておけば、依頼後にイメージと合わないデザインをされるリスクがほとんどない点でも企業にはメリットです。
広告代理店は日々進化する業界でもあるため、常に情報のアップデートを心掛けています。
広告代理店から今の流行や競合他社の事例なども手に入ることがあるので、企業も情報に合わせた対応を取りやすいでしょう。
広告代理店のデメリット
広告代理店も企業と同様に利益を追求する業界である以上、デメリットはいくつかあります。
広告代理店には次のデメリットがあります。
- 依頼した企業としてのマネージメントも必要
- 自社のノウハウには繋がりにくい
- ユーザーの反応がダイレクトに伝わらない
- 手数料が必要
広告代理店にお任せできると言っても、代理店との密なコミュニケーションは必須です。
代理店が一社ではなく、複数ある場合には企業の担当者は代理店のマネージメントに掛かりきりになる可能性があります。
広告代理店が何らかのトラブルに巻き込まれた場合も、企業のマネージメントが必要になる懸念があり、完全にお任せではないことは理解しておきましょう。
広告代理店に依頼するということは、デザインに関するノウハウは自社の中で共有されず、広告代理店と企画担当者だけの経験になるでしょう。
その場合、企業の担当者が変わるとノウハウもリセットされてしまい、ゼロからのスタートになることもあります。
自社にノウハウを蓄積したい場合は、自社でデザイナーを雇うか、デザインを作成するのがおすすめです。
またデザインや広告の運用は代理店が行うため、企業は直接ユーザーの意見や空気感を感じにくいこともデメリットです。
広告代理店にワンクッション置くため、マーケティングに遅れが出やすくなります。
最後に広告代理店に支払う手数料もあります。
一般的に「広告出稿費の3割」やネット広告なら「1クリックで10円」などの相場があります。
広告代理店がどのような手数料システムになっているか、事前にチェックしておいてください。
求人サイトで募集する
求人サイトで募集する方法も有効です。
細かな募集条件も定められ、実力のあるデザイナーを募集することも可能です。
大手の求人サイトやWebデザイナーに特化した求人サイトなどもあるため、企業の目的に応じて適したサイトに登録してみてください。
求人サイトのメリット
求人サイトを利用すると、求人の細かい要件も決定できます。
求める人材も見つけやすいので、企業にとってはメリットが多い方法です。
- 幅広いデザイナーに求人できる
- 採用要件に適した人材を見つけやすい
- 求人内容の細かい指定がしやすい
求人サイトではクラウドソーシングと同様、幅広い要件でデザイナーの求人できるため色々なデザイナーを呼び込むことができます。
また求人の内容は労働時間や給与、福利厚生などを細かく指定もできるので応募するデザイナー側にとっても労働条件が明確で、応募がしやすいメリットがあります。
企業にとっては求める人材を募集でき、デザイナーにとっては自分の望む条件に応募できることから双方にメリットとなるのが求人サイトでの募集です。
求人サイトのデメリット
求人サイトにはどのようなデメリットがあるのかも確認しましょう。
求人サイトでのデメリットは次の通りです。
- 応募者との面談などの時間調整が必要
- 求人にすぐ応募があるとは限らない
- 求人サイトごとに料金体系が違う
クラウドソーシングとは異なり、業務委託の形式でなければ求人サイト経由のデザイナー採用という形式になります。
そのため正式な採用のために面談・やり取りが必要で、時間調整に時間がかかる点には注意してください。
求人サイトを経由するなら最短で2週間以上かかると想定しておく必要があります。
また求人を出してもすぐに応募があるとは限らず、場合によっては1ヵ月以上応募が来ないことも考えられます。
1つの求人サイトだけでなく、複数で応募を出すとともに別のルートでデザイナーを探す方が良いでしょう。
求人サイトは料金体系がそれぞれ異なるので、サイトごとにどのタイミングで料金が発生するのか確認してください。
特に求人掲載しただけで料金が発生するタイプでは、採用に時間がかかるほどコストも増大するので注意です。
デザイナーを採用する前にチェックするポイント
企業に合いそうなデザイナー候補が出てきた場合に、どのようなポイントでチェックすれば最適な人材を発見できるでしょうか。
デザイナーを選ぶなら失敗せず、自社のイメージしたものを作成してくれる相手が良いはずです。
そうしたデザイナーを選ぶ際にチェックすべきポイントは次の4つです。
- ポートフォリオはどのようなものがあるのか
- デザイナー自身にはどのようなスキルがあるのか
- 得意な系統を把握する
- デザイナーはポートフォリオのどの部分を担当していたのか
ポートフォリオはどのようなものがあるのか
ポートフォリオは過去に作成したデザイン・実績などをまとめてあるものです。
デザイナーによっては自分のサイト上に公開してある人もいれば、自分のオフィスにまとめてある人もいるでしょう。
採用候補のデザイナーを発見したら、まずポートフォリオでどのような作品を出してきたのか、実績はあるのか確認し、依頼したいデザインのイメージとすり合わせてください。
ポートフォリオのないデザイナーはほとんどいないと思いますが、もしポートフォリオを見せられない・公開していない場合には要注意です。
デザイナー自身にはどのようなスキルがあるのか
デザイナーが1人で仕事を担当して制作するケースもありますが、中には複数人でいくつか工程を経た物もあります。
デザイナーが制作にあたってどのようなスキルを持っているのか、どの工程を担当していたのかを把握しましょう。
実はデザインの一部しかできない、期待したスキルを持っていなかったなどの可能性も考慮して、どのようなことができるのか知っておくことが大事です。
得意な系統を知る
デザイナーによって得意とするデザインの系統が異なります。
ポップなデザイン、幾何学的なデザイン、温かみのあるデザインなどデザイナーの特性を知ることで、任せやすい仕事と難しい仕事があります。
ポートフォリオの内容とデザイナーからの情報収集で、得意な系統を知ってからデザインを依頼してください。
デザイナーがポートフォリオのどの部分を担当していたのか
複数人が関わったプロジェクトや広告代理店の場合、完全に1人でデザインを作成することはまずありません。
そのためポートフォリオで作品を見ても、それがデザイナー個人の能力によるものかどうかはわからないのです。
デザイナーの能力を知るためにはポートフォリオでどの工程を担当したのか、その工程にどの程度の時間がかかったのか等の情報も調べましょう。
ただしポートフォリオに明記している場合もあるので、この点に関してはケースバイケースです。
まとめ
デザイナーの探し方と依頼前のチェックポイントを解説しました。
探し方は一般的に利用されるものを3種類紹介したので、いずれの方法も条件を指定すれば希望するデザイナーが発見できるでしょう。
そして気になるデザイナーを見つけたら、紹介したチェックポイントで仕事を任せられるか判断してください。
企業とデザイナー双方にとって求めるクオリティへと届くように、企業のデザイナーのことをよく知ることも大事です。
デザイナーと長く付き合い続けるためにも、デザイナー探しの段階からしっかりとした準備をして臨んでください。