フリーランスとして独立すると一番心配になるのが、「仕事をもらえるか」ということです。
独立して間もない頃は知名度もなく、同業者同士の横の繋がりも少ないために仕事がないこともあります。
そんな不安な気持ちを持ちながらWebデザイナーとして独立した人に向けて、本記事では仕事の取り方を解説します!
本記事では独立して間もないWebデザイナーがどのように仕事を取るのか、具体的な方法を見ながら学んでいきましょう。
この記事では「まだ顧客がいない」、もしくは「Webデザイナーを続けていけるだけの顧客がいない」ことを前提として紹介します。
これから顧客を獲得し、仕事を取りたいと考えているWebデザイナーの方はぜひ本記事を参考に仕事を取ってみてください。
Webデザイナーの仕事の取り方7つ
Webデザイナーがフリーランスで仕事を取るには7つの方法があります。
多くのWebデザイナーが活用している方法なので、ぜひ知っておいてください。
- 独立前に勤めていた会社や取引先の人脈を活用する
- 電話やメールで新規取引先を開拓する
- フリーランスエージェントに登録する
- クラウドソーシングで実績を作る
- SNSやブログで情報発信して仕事を得る
- 同じWebデザイナー仲間から仕事を紹介してもらう
- 友人や知人から仕事を紹介してもらう
1.独立前に勤めていた会社や取引先の人脈を活用する
Webデザイナーとして独立する前に、会社での勤務経験やWebデザイナーの学校に通っている人も多いです。
独立にあたってはそうした会社や取引先、学校で得た人脈を活かす方法が有効です。
勤務の経験がある人なら会社や取引先にも能力、人柄が知られており、仕事の依頼にも繋がりやすくなります。
特に退社前の人間関係が良好であれば、退職した会社からも依頼が舞い込む可能性も高くなるでしょう。
大事なことは仕事に対する姿勢、安心して仕事を任せられる信頼です。
独立前から会社や学校など、自分と繋がりのある人脈を広げておくことが大事です。
ただし、注意しておきたい点もいくつかあります。
まず独自の人間関係を利用すると「孫請け」のような形になることも多く、仕事の単価が安くなりやすいのです。
依頼してくれる会社や取引先も、別の会社からの対応しきれない依頼を回してくることがあるためです。
仕事の単価よりも人脈を重視するべきか、単価を高くするべきか選択する必要があるでしょう。
また、元の会社が全く別の分野だった場合には、人脈を活かせない可能性もあります。
元々の業種がWebデザイナーとかけ離れている場合には、人脈を活かせないため苦しい側面もあることは理解してください。
2.電話やメールで新規取引先を開拓する
人脈が豊富であっても、それだけでは仕事として生計を立てていくのは難しいことが考えられます。
そこで人脈の活用が難しい人にも共通している方法が、電話やメールでの営業活動です。
営業をかけても必ず効果があるわけではなく、その中の一部でも反応があれば良い方ではあります。
しかし営業を行うことで、どのWebデザイナーとも契約していない企業を発掘できる可能性もあります。
つまり、ほぼ専属のWebデザイナーとして継続的、高単価での案件を受けられる可能性があるのです。
また企業によっては公式サイトで「パートナー募集」として、Webデザイナーを求めていることもあります。
こうした企業では案件が多く、「すぐにでもWebデザイナーを欲しい」と思っています。
そうした企業に対して、積極的に営業をかけて仕事を獲得しましょう。
ただし、注意したい点もあります。
営業を行う際は、営業する企業がどのような課題を抱えており、その課題解決にWebデザイナーとして何ができるのかを明確にすることです。
どんな内容でも「とにかく仕事が欲しい」と考えるなら、テンプレートを作成して電話やメールで営業する方法でも構いません。
ですが、より確実に仕事を取りたいと思うなら、1件1件丁寧に企業の背景などをチェックし、誠意をもって営業するのがおすすめです。
誠意をもった営業なら、営業を受ける側の企業にも信頼感を抱いてもらえるのです。
3.フリーランスエージェントに登録する
フリーランスエージェントは登録することで、案件を依頼したい企業とフリーランスの間を仲介してくれるサービスです。
登録する際に希望条件を伝え、担当者と相談したうえでエージェント側が適した企業とマッチングしてくれます。
エージェントによっては登録の際に、どの程度の能力を持っているのか把握するテストをすることもあります。
テストがある場合は、テストで能力を判断して適した企業を紹介してくれるので、自分の実力に見合った案件と契約可能です。
フリーランスとしてまだ日が浅いと、人脈も仕事もないことは珍しくないので、エージェントサービスに登録すれば営業もほとんどなしで仕事を獲得できます。
また、エージェントサービスを利用するメリットは、単価交渉やトラブルの発生時にもエージェントが仲介してくれる点です。
自分ですることは最初の登録と面談くらいで、仕事に結びつくまでの労力も少なく、フリーランスの初心者に向いています。
4.クラウドソーシングで実績を作る
Webデザイナーとして独立して間がなく、実績が少ない人はクラウドソーシングを利用するのがおすすめです。
クラウドソーシングでは日々多くの企業が案件を出しており、そこに応募すれば仕事を獲得できます。
ライバルも多いため倍率は高いですが、仕事が欲しいならクラウドソーシングを利用すれば、困ることはなくなるでしょう。
クラウドソーシングでは初心者~プロまで幅広い募集があり、気後れすることなく応募できます。
比較的難易度が低く、短期的な仕事が多いため、実績を作りたい初心者にもおすすめです。
クラウドソーシングでの仕事を通して実績を作り、その後の仕事に繋げることも珍しくありません。
ただし注意したい点もあります。
クラウドソーシングを通した仕事は手数料で2割程度が差し引かれるため、単価が安くなりやすいのです。
そのため仕事内容と比較して、単価が安く感じることもあるでしょう。
自分の実績とポートフォリオ作りのために、クラウドソーシングを利用してみてください。
5.SNSやブログで情報発信して仕事を得る
現代ではSNSやブログが発達し、情報発信を見た人から仕事をもらうこともあります。
SNSで仕事に関する情報発信や同業者と繋がりを持つことで、より多くの人にWebデザインを売り込むことができるのです。
SNSでは公式SNSアカウントはもちろん、下請けしてくれるWebデザイナーの募集をしていることもあります。
そうした繋がりを持つためにも、SNSでの情報発信は重要なツールです。
また、ブログでの情報発信もSNSとは違った活用方法があります。
ブログは自分のWebデザインをアピールする場として活用可能で、ポートフォリオとしての機能も果たします。
さらに、ブログにお問い合わせフォームを設置すれば、直接依頼の連絡が来る可能性もあるのです。
Webデザイナーとして活動していくなら、SNSとブログを活用することが現代では求められています。
6.同じWebデザイナー仲間から仕事を紹介してもらう
意外に思われるのが「同じWebデザイナー仲間からの紹介」です。
フリーランスとして活動するなら同業者はライバルでもありますが、同時に良好な関係を築けば共に仕事をするパートナーにもなり得るのです。
元同僚やSNS、クラウドソーシングでの繋がりを通して、同じWebデザイナー同士で仕事を紹介してくれます。
Webデザイナーにもそれぞれ専門性や得意分野があり、自分の専門性と異なる分野の仕事を依頼されることもあります。
そのようなときにWebデザイナー仲間を紹介すれば、クライアントからも信頼を得やすい傾向があるのです。
つまり、仕事をもらう側にとっては継続して仕事をもらえるチャンスであり、仕事を回す側にとってもクライアントからの信頼を勝ち取るチャンスと言えます。
いずれ安定して仕事をもらえるようになったときには、今度は自分がWebデザイナー仲間に仕事を回してみましょう。
Webデザイナー仲間と横の繋がりを持つことは、双方にとってWin-Winとなる大事なポイントです。
7.友人や知人から仕事を紹介してもらう
実績とポートフォリオ作りを目的とするなら、友人や知人から仕事の紹介を受ける方法もあります。
会社だけでなく学生時代からの友人、知人に独立したことを話してみましょう。
同業者ではなくても、知人の縁で仕事の依頼をしてもらえる可能性があります。
ただし、この方法はあくまで応急的な手段だと思ってください。
なぜなら友人、知人がWebデザインに詳しいプロでない限り、「せっかくだから仕事を安く受けてもらおう」と考えているからです。
Webデザインは社会的にも認知は高まっていますが、知識がない人からすれば「すぐに作ってもらえそう」と軽く見られがちです。
そのため単価も安く見積もられてしまい、自分の労力に見合わない対価で働くことになります。
必ずそのような事態になるとは限りませんが、可能性が高いのは事実です。
あくまで実績とポートフォリオ作りのつもりで、友人・知人から仕事をもらえるか打診してみましょう。
能力を把握してもらうためにポートフォリオを作成
仕事を獲得するためには、自分の能力をクライアントに把握してもらうことが重要です。
そのために必要となるのが「ポートフォリオ」という作品集です。
ポートフォリオはこれまで自分の創り上げてきたWebデザインを集約し、誰からでも見られるようにしておきましょう。
できればポートフォリオに組み込む作品は、自分の自信作だけにするのが理想です。
そして、新しい作品が出来上がったのなら、古いものから順に削除して最新のものへとアップデートしてください。
これによって「今の自分に何ができるのか」の部分が明確になり、クライアントからも仕事を依頼しやすい相手かどうかの判断基準となります。
また、個人ですべてを制作した場合と、複数人が関わった場合とで細かな解説もつけましょう。
ポートフォリオでクライアントが見たいのは「どの部分までWebデザインを担当できるのか」、「どのようなスキルを持っているのか」です。
つまりWebデザイナーとしての能力を正確に把握するため、ポートフォリオはあるのです。
フリーランスとして活動するならポートフォリオは必須のツールと言えます。
ポートフォリオで自分の能力を直に見てもらい、クライアントから高い評価をもらってください。
仕事を取るときの注意点
フリーランスとして仕事を取るうえでの注意点を見ていきましょう。
Webデザイナーの仕事獲得するときの注意点は次の通りです。
- 仕事内容と単価は見合っているかで決める
- 仕事の納期、権利関係を明確にする
- 契約書面に修正回数や追加料金を明記する
いずれも基本的な事項ではありますが、注意しなければならないため見ていきます。
仕事内容と単価は見合っているかで決める
独立して間もないWebデザイナーにありがちなのが、単価を下げて仕事をもらう方法です。
低単価では価格競争という面では他のWebデザイナーより有利に働き、仕事をもらえる可能性も高まります。
しかし、長期的に仕事をしていくなら、単価を下げるのは将来自分の首を絞める結果に繋がります。
低単価で仕事をもらうとどれだけ頑張って働いても、収入が増える見込みがないからです。
仕事はどんどんと増えても、それに見合うだけの収入がないため、いつもぎりぎりの生活を送ることになりかねません。
こうした事態を回避するには「時給で換算して単価を考えること」が大事です。
低単価で案件を受けると時給換算で数百円、人によっては時給数十円で働くこともあります。
それではどれほど頑張っても収入アップは望めず、いずれ廃業するリスクが高まるのです。
そのため、今の自分のスキル、仕事効率を考慮して、仕事内容と単価が見合うものを選びましょう。
そして、いくら仕事が欲しいとはいっても、仕事量と単価が明らかに不釣り合いなら価格交渉をしてみてください。
価格交渉が難しいなら、勇気をもって断ることも大事です。
Webデザインのプロとして働く以上は働きに見合うリターンを求めること、それが自分だけでなくWebデザイン業界全体の地位を底上げすることにも繋がります。
仕事の納期、権利関係を明確にする
仕事の納期、権利関係など制作内容に関わる点も注意です。
一般的にWebデザインで1つの作品を仕上げるには、最低でも2週間が必要と言われます。
Webデザインはクライアントの求めるものを追求することが仕事であり、リサーチや修正を繰り返してブラッシュアップしていくものです。
クライアントとのやり取りも繰り返し行うため、必然的に多くの時間が必要となるのです。
しかし、仕事を引き受ける際にしっかりと内容を吟味していないと、納期が1週間以内と指定されること、権利関係があいまいになることもあります。
より良い作品を仕上げるためには納期は十分確保したい点です。
また権利関係もどの段階でクライアントに権利が移行するのか、それともデザイナー側が権利を持つのかを明確にしてください。
完成品を譲渡して権利が移行することも多いですが、下絵の時点でクライアントに権利が移行するケースもなくはありません。
完成品ではない分、単価も下げられてしまうリスクがあります。
そうした権利関係の部分までしっかり契約の段階でチェックしてください。
仕事の納期、そして完成後の権利関係は後のトラブルを防ぐためにも注意すべきポイントです。
契約書面に修正回数や追加料金を明記する
修正回数や追加料金を契約書面に明記することも注意するポイントです。
クライアントによっては修正を無制限とし、追加料金もなしとする契約書面を持ってくる可能性もあります。
そうなればWebデザイナー側は無料で何度も修正をしなければならず、時間ばかりかけて収入にはならないことになります。
そのような事態を防ぐためには契約書面をしっかりとチェックし、デザインをどの段階で何回まで修正対応するのか明確にしましょう。
また規定の回数を超えた修正には追加料金が発生することとし、追加料金についても明記したほうが安心です。
フリーランスのWebデザイナーとして働くと、どうしてもクライアントよりも弱い立場になりがちです。
しかし、スキルの安売りは自分の身を滅ぼす結果になりますから、一方的に不利な契約内容は自分からお断りしましょう。
修正回数や追加料金など、仕事量や料金にまつわる内容はクライアントとも交渉し、双方が納得できる契約をしてください。
まとめ
フリーランスのWebデザイナーが仕事を獲得する方法について解説しました。
自らの人脈、フリーランスエージェント、クラウドソーシングにSNSなど、現代は仕事を獲得する方法は様々です。
Webデザイナーも個人によって事情もスキルも様々であり、どの方法を選べば正解という答えはありません。
しかし、仕事を獲得するためにできる方法はなんでも試してみましょう。
人によってはフリーランスエージェントで週に数日働き、それ以外ではクラウドソーシングやSNSから仕事をもらう人もいます。
自分の生活スタイル、仕事効率に合わせた最適な選択ができるようにしてみてください。
そして契約する際は仕事に見合う単価、権利関係、契約内容をよく吟味し、後悔のない仕事を選ぶことです。
Webデザイナーとして長年働き続けられるよう、本記事を参考に仕事を獲得してみてください。