イラストレーターに依頼する流れは?修正を減らす依頼の出し方

ビジマサマガジン

イラストを依頼する時に「イラストっておまかせで出来るんじゃないの?」「イラストって頼めばその場で描いてくれるんでしょ」と考えてしまう方も多いかと思います。

実はイラストを作成するには丁寧なヒアリング、イメージの共有、ラフ案・下書きなど、作品の完成までには多くの工程を経ています。

多くの工程を必要とするイラスト作成では、なるべく修正回数を減らすことも大切です。

そのためには、依頼をする際にまずどのような流れで依頼を行うのか知る必要があります。

そしてイラストレーターがどのように考えてイラストを作成しているのか、作成者が求める情報を位案が提供することも忘れてはいけません。

この記事ではイラストレーターにイラスト作成を依頼する際に、どのような流れで進んでいくのか、イラストレーターに依頼する際の注意点を紹介します。

この記事を読めば、初めてイラスト作成を依頼する方でも迷うことがなくなるはずです。

イラストレーターに依頼する際の流れ

イラストレーターに依頼するために、まずどのような流れで依頼が進んでいくか見ていきます。

今回はフリーランスのイラストレーターに依頼するケースの流れを紹介します。

  1. イラスト作成を依頼する
  2. 依頼内容の精査・見積もり
  3. 契約締結
  4. 細かい要望のヒアリング
  5. スケジュール設定、ラフ案の提出
  6. 下絵提出、完成画作成
  7. 納品

イラスト作成を依頼する

依頼の方法はいくつかありますが、代表的なのは次のものです。

  • イラストレーター個人のサイトからお問い合わせする
  • イラストレーターが登録しているサイトから依頼する
  • TwitterやInstagramなどのSNSでDMを送る

イラストレーター宛に「いつまでに」「どのような」「どんな用途・サイズで」「いくらくらいで」といった情報を記載して、連絡してみてください。

イラストレーターによってはすぐに返信をくれないこともあるので、余裕を持った日程で連絡を取りましょう。

そしてイラストレーターから具体的な依頼の内容を確認されたら、より詳細な依頼内容、金額の見積もりなどに移ります。

依頼内容の精査・見積もり

次に具体的なイラストのイメージを精査していきます。

例えば、人物を描くという依頼の場合、次のようなオプション項目をチェックし見積もりに反映していきます。

  • 背景の有無
  • 小物などの追加
  • その他追加したいアイテム

イラストレーターにもよりますが、イラストの基本料金にオプション項目の料金がプラスされていく仕組みです。

オプションなしで人物だけを描く場合には基本料金5,000円のみ、追加の項目で背景を花柄、小物として植木鉢などを描くならそれぞれに追加料金が1,000円発生する、という具合です。

なるべくコストを安く抑えたい場合には、基本料金だけにして背景や小物はクライアントで追加する方法もあります。

料金や納期などの条件を見積もりで納得できれば、イラストレーターとの契約締結のステップに入ります。

契約締結

見積もりをもらったら、支払いの方法を選択します。

イラストレーターによって支払い方法が異なるので、どのような支払い方法でも対応できるようにしましょう。

  • 前払いor後払い
  • コンビニ払い
  • 銀行振込
  • 現金払い

一般的なのは前払いと銀行振込の方法です。

イラストレーターもプロとして活動する以上、きちんと支払いをしてくれるクライアントか確認したいと考えています。

そのため、前払いできちんと報酬を支払うクライアントか見定めているのです。

フリーランスのイラストレーターの中には、クライアントとの連絡がつかなくなり、支払いでトラブルになるケースもあります

そうした事態を防ぐため、前払いを採用しているイラストレーターが多いことは理解しておきましょう。

細かい要望のヒアリング

続けて、メール等の連絡では伝わっていない、より詳細なイラストの要望をヒアリングしていきます。

人物を描くには髪型、髪色、目の色、ポーズ、どんな印象を与えたいのかなどを確認し、イラストのイメージを明確にしていきます。

クライアントも依頼する以上、どのようなイラストを作成してほしいのかイメージは準備していることも多いですから、それをイラストレーターに伝えましょう。

また参考となる画像がある場合には、そちらもイラストレーターに提示します。

例えば、顔立ちはAの画像、背景はBの画像、色使いはCの画像という具合に、視覚的にわかるものがあるとイラストの作成に役立ちます

もし明確なイメージがなくても「この画像のようなテイストで」と参考画像を提供すれば、イラストレーターもそちらを参考に作成してくれるでしょう。

そしてイメージが明確ではない場合でも、イラストレーターとともにイメージを確定させていけば問題ありません。

「イラストは作成したいけどどんなものが良いのか…」と悩んでいる場合は、漠然としたイメージを伝えるところからスタートすることもあります。

イラストレーターと相談する中で見えてくるイメージもあるので、よく話し合って決定してみてください。

スケジュール設定、ラフ案提出

依頼内容の詳細が伝わったら、スケジュール設定とラフ案の提出です。

スケジュール設定は段階ごとに設定すると良いでしょう。

マイルストーンとして、ラフ案の提出、下書きの提出、完成画の提出という具合に目安を設定します。

ただし、あまり厳しすぎるスケジュール設定にならないように注意は必要です。

イラストは作成するものにもよりますが、最低でも1週間必要とされています。

イラストレーターの実力、仕事の速度にもよるため一概には言えませんが、1週間以上のゆとりを持ったスケジュールを設定しましょう

そしてラフ案とは、イラストを描くにあたっての基本的なイメージ図で、設計図のようなものです。

イメージ図なのでイラストの方向性、雰囲気、構図などをクライアントと共有するために作られます。

ラフ案を見ることでイラストの完成図を予想でき、イラストレーターとより具体的な完成形を決定できます。

そのためラフ案の提出があった時は、どの部分を修正したいか、追加したい部分はあるかなど、納得できるまで相談しましょう。

注意したいのは追加や修正が多いと、その分追加料金が発生することもあるので、その点はしっかりと相談すべきということです。

後になって料金が想定を上回ったということがないように、修正や追加による料金についても相談しましょう。

下絵提出、完成画作成

ラフ案で作品に納得出来たら、イラストレーターによる下絵と完成画の作成段階に入ります。

ラフ案を基に下絵と完成画は作成されるため、大きな修正が必要になることは少ないでしょう。

細かい点については下絵の提出時に指摘して、ブラッシュアップしていくことになります。

この時、ラフ案でしっかりと納得できていないと、完成画も納得できないことがあります。

下絵に入る前にラフ案でしっかりと要望を出し、出来るだけ修正回数が少なく済むようにしてください。

納品

最後に完成したイラストが納品されて依頼は終了となります。

納品形式はイラストレーターにもよりますが、メールに添付、USB、クラウドでのやり取りなど様々です。

一般的にはJPGとPNGのどちらか、もしくは両方の形式で納品されます。

著作権の取り決めをしている場合には、完成品の納品と共に著作権もクライアントに移行するのが通常です。

依頼する際の注意点

イラストを依頼する際に注意すべき点を見ていきます。

以下のポイントはイラストレーターに依頼する際に意識してください。

  • イラストの用途を明確にする
  • 完成画のイメージを共有する
  • スケジュールは余裕を持たせる
  • 修正の回数・料金等の対応を確認する
  • 支払いの方法・タイミングを確認する

イラストの用途を明確にする

依頼する際にはイラストの用途、使用範囲を明確に伝える必要があります。

SNSのアイコン、ポスターやチラシ、Webサイト上での利用など利用目的によって、イラストはサイズ、解像度を変更しなければなりません。

何のために使用するのかをイラストレーターに伝えれば、サイズや解像度をイラストレーターが最適化して納品するのです。

用途が定まっていないと、イラストレーターもどのくらいの大きさ、解像度、色合いなどを求めているのかわかりません。

作業をスムーズに進めるためにも、どのような用途で使用するのか忘れないように注意してください。

完成画のイメージを共有する

依頼時のヒアリングと、ラフ案作成の時にも注意すべきなのが、完成画のイメージ共有です。

ヒアリングでは口頭や文章でのイメージしか伝わりませんから、ラフ案で完成画のイメージを視覚的にも共有します。

イラストレーターとしても「クライアントの求めるイラスト」は何かを知ることで、イラストに反映させられます。

逆にイラストレーターにとって判断に困るのは、「おまかせ」とされてしまうパターンです。

何を描けばよいのかわからないため、ヒアリングにも時間が掛かってしまいます。

完成画のイメージを共有するため、クライアント側も依頼する段階でぼんやりとでもイメージを持っておくと良いでしょう。

そしてラフ案、下絵の段階で小さな修正をしていけば、スムーズにイラスト制作が進むはずです。

スケジュールは余裕を持たせる

スケジュール設定も注意すべきポイントです。

イラストは発注して、その日のうちに完成することはほとんどありません。

いくつもの工程があるため、通常は完成するまでに最短でも1週間必要です。

仕事の早いイラストレーターであれば1週間以内に完成することもありますが、余裕を持ったスケジュール設定をしたほうが確実です。

イラスト作成においては、ラフ案や下絵を見て細かい修正を繰り返すこともあります。

修正をしていけばその分だけ時間も必要となるため、タイトなスケジュールではイラストレーターにとっても負担が大きいのです。

イラストを依頼する際は、イラストレーターとも相談してどのくらいの納期にするか、スケジュール設定にも注意してください。

修正の回数・料金等の対応を確認する

依頼する際にはどの程度まで修正してくれるのか、修正回数、追加料金の有無も確認します。

イラストを依頼すれば料金支払いだけで、修正は無制限と考えるクライアントもいますが、そうではありません。

イラストレーターは「修正回数は〇回まで」と想定して料金を提示することが多く、想定以上の修正回数には追加で料金が発生します。

また修正の対応もどこまでの修正をしてくれるのかは確認する必要があります。

ラフ案、下絵、完成画など修正はどの段階まで受け付けているのか、回数も契約前に把握してください。

修正回数による追加料金についても、事前に合意しておけばトラブルを回避できます。

修正と料金に関わる内容は、お互いの認識のズレによってトラブルや納期の遅延にも繋がるリスクがあるため、特に注意が必要です。

支払いの方法・タイミングを確認する

支払いの方法・タイミングはイラストレーターによって異なるため、契約締結前に確認します。

前払い・銀行振込のイラストレーターも多いですが、後払いのパターンもあります。

またクレジットカードや電子決済の方法もあるため、支払い方法とタイミングはイラストレーターと相談しましょう。

こちらも料金支払いでトラブルに繋がることがあるため、見積もり依頼をした時点で各種支払いの方法やタイミングは認識の共有が必要です。

後になってトラブルに発展しないよう、料金に関わる内容は特に注意してください。

まとめ

今回はイラストレーターへの依頼の流れと注意点について解説しました。

イラストレーターへの依頼方法はフリーランスだけでなく、イラスト制作会社やクラウドソーシングという方法もあります。

いずれの方法でも大きな依頼の流れは変わらないため、今回の内容を参考に依頼をスムーズに進めてください。

注意点についてもよく理解したうえで、イラストレーターへの依頼を行うことが大事です。

イラストレーターにもプロ、アマチュアはありますが、いずれも料金を支払って仕事をすることになります。

イラストレーターがイラスト作成にあたって、どのようなことを知りたいのか、クライアントに求めていることは何かを把握しましょう。

完成度の高いイラストを制作するには、クライアントとイラストレーターの双方が情報共有することが大事です。

スムーズに依頼を進めるために、本記事の内容をぜひ参考にしてください。

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